【そのステーブルコイン大丈夫?】3種のステーブルコインとそのリスク!
こんにちは、マサです。
今回は、仮想通貨の基軸ともなっている『ステーブルコイン』について、少し深堀してみました。
忙しい人「ステーブルコインなんて、みんな一緒じゃないの?種類があったって、どれもリスクはないんでしょ?」
マサ「いえいえ、ステーブルコインはどれも一緒ではありません。知らずに運用していると、とても危険かもしれませんよ!」
10秒でわかるこの記事の概要
ステーブルコインには、その発行形態により大きく3タイプに分かれます。
②仮想通貨担保型
③アルゴリズム型
タイプによって、リスクはかなり異なっていて、特にアルゴリズム型は要注意です!
なぜなら、資産の裏付けがないステーブルコインだからです。
ではどうやって安定性(ステーブル)を保っているかと言うと、ザックリいえば、演算(アルゴリズム)により通貨価格のコントロールしています。
なので、もしアルゴリズムに不具合が生じたら・・・、ちょっと怖いですよね。
とはいえ、世界的に大成功しているアルゴリズム型ステーブルコインも存在しているんです。
ステーブルコインについて、より詳しく知りたい方は、それぞれの成功例を交えながら解説していますので、ぜひ続きをお読みください!
今回の内容
ステーブルコインは、仮想通貨を触る方であれば、必ず必要となる通貨です。
利確にも利用しますし、色々な通貨の購入資金やDefiにも必要です。
そんなステーブルコインについて、僕なりに調べたことを共有させて頂けたら、嬉しいです。
ステーブルコイン、3つのタイプ
まず、ステーブルコインには3つのタイ存在しています。
- ①法定通貨連動型
- ②仮想通貨担保型
- ③アルゴリズム型
いずれもステーブルコインなのですが、そのリスクは大きく違っています。
後ほど、1つ1つ詳しく解説していきますが、ここでは、それぞれの特徴をザックリと把握してみてください。
①法定通貨連動型
その名の通り、法定通貨に連動した価格・価値を提供しているステーブルコインです。
代表的なのは、ドルに連動したものですね。
このタイプのステーブルコインの特徴は、
というところです。
実物があるというわけなので、最も安全性の高いステーブルコインとなります。
②仮想通貨担保型
次にリスクが低いのが、仮想通貨担保型です。
これは、ザックリいうと、
ということです。
実際の法定通貨よりは少し不安なところもありますが、資産の裏付けがあるので、まあまあ信用できるかなというところです。
③アルゴリズム型
最後は、アルゴリズム型のステーブルコインです。
アルゴリズムとは、演算、すなわちプログラムのことだと思ってください。
このアルゴリズム型のステーブルコインの特徴は、
というところです。
そう、資産の裏付けがないんです!
ですので、万が一アルゴリズムに不具合が生じたりした場合、どうなってしまうのか・・・。
一番リスクが高いステーブルコインと言えます。
と、ザックリですが、ステーブルコインには、その発行元の考え方により、大きく3タイプに分かれているんですね。
自分が利用しているステーブルコインがどのタイプなのかを知っておくことは、非常に大切なことだと思います。
次からは、実際にそれぞれのタイプを採用している具体的な仮想通貨をご紹介しつつ、もう少し理解を深めていきましょう!
①法定通貨連動型
まず最初は、法定通貨連動型です。
このタイプのステーブルコインは、実資産があるという部分で、最も安全とされています。
実際に多くの仮想通貨取引に利用されており、まさになくてはならない存在です。
この法定通貨連動型の特徴は、以下の通りです。
- 中央集権
- 企業が価値を保証
実資産を担保にしているため、強い運営元が必要となります。
ですので、どうしても中央主権型になるんですね。
ステーブルコインの中では最もリスクの低い通貨ではありますが、万が一、運営元が倒れた際のリスクというのは、少なからずありますので、その点は認識しておいてください。
それでは、実際に流通して成功している通貨を見てみましょう。
USDT
Tether Limited社が運営している通貨です。
テザーと言われています。
この通貨の特徴は、アメリカドルと完全に1:1で資産裏付けがされている点。
つまり、テザー社が保有するアメリカドルとUSDTとが同量になることで、その価値が担保されるという仕組み。
うーん、これは分かりやすい。
圧倒的に安心感がありますね。
なので、現在のステーブルコインの中では、このUSDTの利用率が最も高いとされています。
しかし、このテザー社には色々と怪しいうわさもあります。
その一番大きいものは、「テザー社には、本当はそんなに資金(アメリカドル)がなんじゃないか」というものです。
実は、だれもその裏付けとなっている資金を確認できていないのです。
ですので、万が一、USDTに何かあった場合、本当にその資金を保証してもらえるのかといった不安をもっている人もいます。
規模が大きくなってくると、色々と難しいですねー。
USDC
次によく利用されているステーブルコインがUSD coin(USDC)です。
これは、CENTREという組織によって運営されています。
このUSDCも、1:1でアメリカドル(アメリカ国債)と価値連動して、資産の裏付けを持っています。
また、このCENTREは、coinbaseとcircleという2つの会社によって立ち上げられたプロジェクトです。
coinbaseは世界で2番目に大きな暗号通貨取引所ですし、circleは、金融のフィンテック企業として有名な会社です。
どちらもとても信頼感のある企業がバックについているということで、今やステーブルの中でも信頼感に関しては、テザー社より上にある印象です。
実際、USDCのみをステーキングの指定にしているDefiも増えてきており、これからさらに期待できそうです。
以上が、法定通貨連動型でした。
次は、仮想通貨担保型の説明です。
②仮想通貨担保型
>>図3章
仮想通貨連動型の特徴は、
- 仮想通貨を担保にして、その資金を裏付けにしている
- 担保に取る仮想通貨は、貸出ステーブルコインより多く取る
- どちらかというと分散型
- アルゴリズムと組み合わせている複合型も多い
という感じです。
仮想通貨は、ご存じの通り、価格の上下が激しいですよね。
なので、通常必要とされる担保金額よりも多めに担保として金額を預け入れてもらい、価格変動があった際にも、安心して安定性を提供できるような仕組みにしています。
具体的にいうと、例えば$100分のステーブルコインを借りようと思ったら、時価で$150分の仮想通貨を預け入れなければいけない、みたいな感じです。
さらに、一定の担保率(150%とか)を設定していて、それを下回ったら、強制的に清算が発生し、安全性を確保するという具合。
多めに担保を取った上に、危なくなったら強制清算。
うん、これなら多少安心感はありますね。
また、資産の裏付けが現実世界の法定通貨に依存していないので、強力な中央集権もあまり必要としていません。
Web3.0の主流となりつつある分散型の組織が目立つのも特徴の一つです。
あと、これは少しややこしいのですが、アルゴリズムと併用しているプロジェクトも多くあります。
なぜなら、仮想通貨を担保にしているがゆえに価格変動が激しいため、ある一定のプログラムを走らせていないと、適切な担保率を維持することができないからです。
そういう意味では、アルゴリズム複合型と言えるかもしれません。
しかしながら、その多くは仮想通貨という資産を裏付けに信用を勝ち得ているため、『仮想通貨担保型』に分類させて頂きました。
では実際に利用されているこのタイプのステーブルコインを見ていきます。
DAI
このタイプのステーブルコインで、最も成功しているプロジェクトが、DAIです。
DAIは、MarketDAOが発行しているステーブルコイン。
DAOという名前の通り、完全に分散化した組織を目指しているプロジェクトになります。
DAIは、他の仮想通貨を担保にして、その資産を裏付けにして安定性を確保しているステーブルコインです。
担保として預けられた仮想通貨は、MarketDAO独自のリスクパラメーターによって制御され、市場動向によって担保率を変動させています。
また、オークションという独自の制度も採用しており、独自通貨の$MKRの発行によって、担保負債をカバーする仕組みも備えています。
いやー、成功するのが分かりますね。
2重、3重にセーフティーガードをひいているんですねー。
それが自律分散型だという、素晴らしいプロジェクトです。
③アルゴリズム型
>>図4章
最後はアルゴリズム型のステーブルコインです。
これは、演算プログラム(アルゴリズム)によって、価格を安定させているコインを指します。
その特徴は以下の通りです。
- 資産の裏付けがない(無担保)
- 発行や償却をコントロールすることで、価格の安定を図っている
- アービトラージの利用
今までに紹介してきたステーブルコインと比べて、最も特徴的なのは、裏付けとなる資産を持っていないという点です。
「うん?そんなのステーブル(安定的)な価値提供できるわけないじゃん」
そう思うかもですね。
ステーブルコインが実現しようとしているのは、安定的な価値をもつ通貨の供給です。
極端に言えば、どういう仕組みであれ、市場で1通貨=$1の価値が安定的に提供できればいいわけです。
そういう意味では、市場原理を踏まえれば、
1通貨の価値が$1より高くなる⇒市場への供給量を増やして、価値・価格を下げる
これが超高性能なプログラムにより完全に達成できれば、資産の裏付けがなくても、ステーブルな価値を提供できるということになります。
これを目指しているのが、このアルゴリズム型のステーブルコイン、というわけです。
さらにここから少しややこしくなるのですが、このアルゴリズム型には、色々な種類が存在します。
大きく分けると、
- 完全にアルゴリズムでコントロールしようとするタイプ
- 一部資産の裏付けをもち、一部をアルゴリズムでコントロールしようとするタイプ
前者に対して、後者の一部資金の裏付けを確保するタイプの事を『フラクショナル・アルゴリズム』なんて言ったりします。
このフラグショナル・アルゴリズムの仕組みはこうです。
例えば、$1のステーブルコインを発行するとします。
その際に、仮想通貨または法定通貨で$0.8分、独自通貨で$0.2分を用意して、併せて$1分として、その資金の裏付けにするんです。
ですので、実際に貸し出された$1に対しての資金の裏付けは$0.8しかないということになります。
その残りの$0.2分は、独自通貨とアルゴリズムの最適化によってカバーしようという仕組みです。
これをすることによって、メリットとデメリットが生じます。
デメリット:万が一の際、資金のショートにより損失リスクがある
まず、$1必要だったのが$0.8でよくなるので、残りの$0.2をさらに別な投資に回すことができます。
これにより、資金効率が圧倒的に高まります。
また、独自通貨の価値が高まった際には、さらに担保にする資金が少なくて済むため、うまくいけばいくほど、資金効率が高まるという部分がメリットです。
逆に、資金の裏付けがないので、取り付け騒ぎが生じた際に、実質資金を失ってしてしまうというデメリットがあります。
ステーブルコインを名乗る以上、安定的な価値の提供が最優先です。
「万が一の時は危ないよー」では、ステーブルコインを持っている意味がないですからね。
では、このアルゴリズム型がダメなのかというとそうでもありません。
一つ例を挙げて説明しますね。
まずは、現実世界の銀行をイメージしてみてください。
銀行にはたくさんのお金が集まっていて、そのお金を貸し出すことで、銀行は収益を上げています。
では、銀行にあるお金全部が、いつも運用できているのでしょうか。
答えは「NO」です。
銀行で貸し出しや運用で利用できているのは、おそらく持っている資金の70%がせいぜいだと思います。
ということは、残りの30%はいつも眠っていることになりますよね。
もちろん、万が一に備える準備金も含まれていると思いますが、極端に考えれば、この眠っている30%の資金がなくても、お金は回っているということになります。
そう考えたら、もしアルゴリズムでしっかりと管理できたとすれば、実際に所有している資産は70%でも回せる!と考える人たちが出てきても不思議ではありません。
フラグショナル・アルゴリズム(一部を資産裏付け、一部をアルゴリズム)型のステーブルコインは、こんな感じで安定的な価値の提供を目指しているんです。
ちょっと短絡的な説明なので、ところどころ正確ではありませんが、大体の感じをつかんでもらえたら、嬉しいです。
では、実際にアルゴリズム型で成功しているプロジェクトを見てみます。
UST
UST(TerraUSD)は、Terraform Labsという韓国の企業が発行しているアメリカドルの価格に連動したステーブルコインです。
このUSTは、アルゴリズム型の中でも特に珍しい『無担保型』で大成功しているプロジェクトなんですね。
価格はアメリカドルに連動していますが、実際のアルゴリズムはTerra(LUNA)に関連付けられています。
どうやって調整しているかというと、ザックリいうと、『USTの価格が上昇すると償却し、価格が下落すると生成する』というアルゴリズムを展開しています。
実際には、LUNAを通じて償却や生成が生まれる仕組みになっていますが、詳しくは難しくて分からないので、「そんな感じなんだ」くらいで思っておいてください><
このUSTですが、現在、資金の裏付けにBTCを買い入れているそうです。
なので、そのうちフラクショナル・アルゴリズム型(一部資金の裏付けがある)に移行していくことが予測されており、そうなったら、今よりさらに安定的なステーブルコインとなりそうです。
FRAX
FRAXは、frax.finance(フラックス・ファイナンス)によって発行されているステーブルコインです。
このFRAXは、フラクショナル・アルゴリズムを世界で初めて採用したステーブルコイン。
一部を資産の裏付け、一部をアルゴリズムでカバーするという方式をとっています。
具体的には、担保率の増減で、流通量をコントロールしています。
例えば、FRAXの価格が1$よりも高くなったら、担保率を引き下げて、流通量を増加させます。
逆に$1よりも安くなれば、担保率を引き上げて、流通量を減少させる、といった具合です。
Fraxは、この方式を最初に導入したプロジェクトとして、この手法が『フラクショナル・アルゴリズム』という名前のもととなりました。
今後、Astarネットワーク上でサービスが開始される『Orcus Finance』も、このフラクショナル・アルゴリズムを採用しています。
Orcus Financeについては、また別の機会に説明します!
まとめ
ということで、今回はステーブルコインについて、その種類とリスクを解説してみました。
ステーブルコインと言っても、どれも一緒じゃないんですよね。
最後におさらいです。
ステーブルコイン3つの種類
- ①法定通貨連動型
- ②仮想通貨担保型
- ③アルゴリズム型
現状、リスクが一番少ないのが法定通貨連動型で、リスクが高いのがアルゴリズム型と言われています。
ただ、資金効率などの観点で見ると、アルゴリズム型はリスクがあるものの、最も期待されているステーブルコインでもあります。
実際、アルゴリズム型で成功しているUSTは、他のステーブルコインに比べて高いAPYでの運用が可能になっています。
自分にあったステーブルコインを見極めつつ、運用していくのが必要になってきていますよねってお話でした!
この記事の内容は、僕が独自で調べた内容ですので、間違っていたり誤解を与えかねない表現が含まれている可能性があります。
「あれ?これは違うんじゃない?」というところがありましたら、ご指摘いただけると嬉しいです。
今後も、ためになりそうな仮想通貨関連の情報発信をしていきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします!